出発前に通信回線と地図アプリを整えておくと、坂や立体交差が多い重慶でもスムーズに移動できます。決済や配車アプリの設定も日本にいるうちに済ませておきましょう。

旅に合う通信回線を選ぶ

短期の重慶旅行なら、日本の携帯電話会社が提供する海外ローミングと、Airaloの中国向けeSIMを比較して選びましょう。国際ローミングは普段の日本の電話番号をそのまま使えるため、日本の銀行やカード会社のSMS認証コードを受け取るのに便利です。旅行用eSIMは、普段のSIMを残したまま手軽に現地用データ回線を追加できます。

eSIMはスマホに設定プロファイルをダウンロードして利用します。SIMフリー(またはSIMロック解除済み)の対応機種が必要です。出発前の安定したWi-Fi環境でインストールし、画面の案内に従ってデータ通信用の回線に指定してください。利用開始のタイミングは、設定完了直後からカウントされるものと、中国現地の電波を掴んだ時点からのものがあります。

中国の電話番号で直接通話したい場合や、現地の出前サービスを頻繁に利用する場合は、中国本土の物理SIMカードが適しています。空港や市内の中国移動(中国移动)、中国聯通(中国联通)、中国電信(中国电信)の営業窓口でパスポートを提示して契約します。

使いたいアプリと通信回線を合わせる

中国本土の通常Wi-Fiや現地SIMカードでは、Google、LINE、Instagram、X(旧Twitter)などへのアクセスが制限されます。国際ローミングや海外旅行用eSIMの多くは中国本土外のサーバーを経由して通信するため、日本と同じようにこれらのアプリを利用できます。

データ通信専用のeSIMには中国の電話番号や通話機能が付いていません。日本の銀行やクレジットカードの認証SMSを受け取れるよう、普段の日本のSIMも副回線として通信できる状態にしておきましょう。

短期旅行であれば、中国の電話番号がなくても困りません。Alipay、WeChat、DiDiなどの主要アプリは、日本の携帯電話番号(+81)で登録できます。

地図アプリは出発前に用意する

iPhoneなら標準のAppleマップが便利です。 中国本土では高徳地図(高德地图)のデータが採用されており、高架の上下を含めた徒歩ルート案内や地下鉄の出入口番号、乗り換え案内が正確に表示されます。ホテルを探す際は、中国語の正式名称をコピーして検索すると確実です。

AndroidならAMap Global(高徳地図)を入れておきましょう。 出発前にGoogle Playの公式ページから入手できます。中国現地の最新の道路、地下鉄、飲食店の検索に最も適しています。英語検索にも一部対応していますが、店舗の詳細や入口位置は中国語で確認するのがスムーズです。iPhone版AMap Globalも利用可能です。

Googleマップは出発前の全体把握に使い、現地ではAppleマップや高徳地図を使いましょう。 ローミング回線でGoogleマップを開くことはできますが、中国本土の地図データ更新が止まっていることが多く、重慶特有の道路の高低差や地下鉄出口の案内が不正確な場合があります。また、Googleマップのオフライン機能では中国本土の徒歩ナビや乗換案内が利用できません。

建物ではなく入口まで確認する

重慶の地図で目的のスポットやホテルを選ぶと、地図アプリのナビを開けます。現在地からの道順を確認しながら、周辺の観光やグルメ情報もチェックできます。

目的地を検索する際は、中国語の正式名称と住所をセットで確認しましょう。同じホテルチェーンが同じエリアに複数店舗を出していることも珍しくありません。また、重慶北駅(重庆北站)を利用する際は、乗車場所が北広場(北广场)か南広場(南广场)かを事前に切符で確認してください。地下鉄駅でも目的の出口番号をあらかじめ控えておくことが大切です。

重慶は平面の地図上で近く見えても、実際には長い屋外階段や急な坂道、上下に分かれた高架道路があるため歩きやすさが異なります。スーツケースやベビーカーがある場合は、ホテルの車寄せがある平坦な入口を事前に確認し、配車アプリの乗車・降車位置にもその平坦な入口を指定しましょう。

洪崖洞へ向かう際も、崖の上の11階入口(滄白路側)と、川沿いの1階入口(嘉陵江浜江路側)のどちらへ行くかを先に決めておくと、無駄な階段の上り下りを防げます。

朝天門駅3番出口の階段、エレベーターの扉、案内表示。
撮影 重庆轨交18

入れておきたい5つのアプリ

地図アプリ: iPhoneはAppleマップ、AndroidはAMap Global(高徳地図)を用意します。

Alipay(支付宝): 出発前にインストールし、日本のクレジットカードを登録しておきます。店舗でのQRコード決済、地下鉄やバスの乗車コード、配車の呼び出しまで幅広く使えます。詳しい設定方法は重慶の支払いガイドをご覧ください。

WeChat(微信): 現地での連絡や、レストランのテーブルQRコード注文、施設予約のミニプログラムで利用します。SMS認証が必要なため、日本にいるうちに登録を完了させておきましょう。

DiDi(滴滴出行): 中国でタクシーや配車サービスを呼ぶためのアプリです。App Storeの公式ページからダウンロードできます。日本の電話番号と国際クレジットカードに対応しています。重慶では高架上と下の道路が同じ位置情報になることがあるため、車を呼ぶ際は自分が立っている道路の高さや建物名をしっかり指定してください。

翻訳アプリ: 中国語の看板やメニューを撮影して読めるカメラ翻訳機能付きのアプリを用意しましょう。電波が不安定な場所でも使えるよう、中国語のオフライン辞書データを事前にダウンロードしておくと安心です。

ホテルへ出前を頼む

客室でゆっくり食事をしたいときは、美団(美团)や淘宝閃購(淘宝闪购)などのデリバリーサービスが便利です。淘宝閃購は、以前のEle.me(饿了么)の現在のサービス名で、Alipayアプリ内からも手軽に利用できます。

Alipayを利用している場合は、アプリ内の検索バーで淘宝闪购と検索します。英語などの翻訳機能はSettings → General → Translation Toolで有効にできます。届け先にはホテルの中国語名、住所、フロント気付の旨を入力し、登録済みのクレジットカードで決済します。

出前を頻繁に利用する場合は、配達員からの連絡に対応できるよう通話可能な現地SIMカードがあると便利です。データ専用eSIMでも注文自体は可能ですが、配達員からの着信通話は受けられません。

美団(美团)で注文する手順は次のとおりです。

  1. 日本の電話番号で登録し、SMS認証コードを入力します。
  2. 外卖(出前)アイコンをタップします。
  3. ホテルの正式な中国語名、住所、連絡先電話番号を入力します。
  4. 料理を選び、配達メモ(备注)に请送到酒店前台(ホテルのフロントへ届けてください)と記入します。
  5. AlipayまたはWeChat Payで支払い、配達状況を確認してフロントで受け取ります。

ホテル内にデリバリー配達ロボットがある場合は、ロボットが部屋の前まで届けてくれます。安心できるおすすめホテルは中国系ホテルチェーンガイドで紹介しています。食事の要望を伝えたい場合は、アレルギー・食事制限の中国語フレーズを活用してください。

中国語の地名を保存しておく

滞在先ホテルの正式な中国語名、住所、最寄りの入口名はスマホのメモ帳に保存しておきましょう。移動や検索に役立つ主な地名は以下のとおりです。

  • 解放碑:解放碑
  • 洪崖洞:洪崖洞
  • 李子壩駅:李子坝
  • 重慶江北国際空港:重庆江北国际机场
  • 重慶北駅:重庆北站
  • 重慶西駅:重庆西站
  • 重慶東駅:重庆东站

重慶北駅、重慶西駅、重慶東駅はそれぞれ全く別の場所にある巨大ターミナル駅です。切符に記載された駅名を必ず確認して向かいましょう。空港からの詳しい移動手段は江北空港から市内への交通ガイドをご覧ください。

参考資料と更新情報